セロトニンと性について

コラム

column

2018.04.01

4月になり当ユナイテッドクリニックも大阪に2院目、関西圏では3院目となる大阪なんば院を開院することが出来ました。新しい院を開くと新しいスタッフを雇い入れることとなり、当院も多分に漏れず新しい出会いを経験することとなります。新しいスタッフは新しい環境で働くこととなります。春は出会いの季節と共に天候の変化も目まぐるしい時期でもあります。人の入れ替わりも多く、寒暖の差が激しく、花粉が飛び、ジメジメとした梅雨に移り変わっていきます。そんな中で、体調を崩してしまうことも多くあります。得に環境の変化によりストレスが溜まり五月病などを起こしやすくなります。今回は季節の変わり目である、この時期に起こりやすいうつ病などの精神疾患と密接な関係を持つ脳内物質「セロトニン」に関するコラムです。因みにですが、セロトニンが不足すると男性は早漏症になってしまいます。いわゆる三こすり半ですね。

セロトニンとは

セロトニンは脳、血液、腸の3ヶ所にそれぞれ存在します。脳と血液には5％ずつ、腸には90％が存在します。主に知られている気分や睡眠に作用する部分は、脳内のセロトニンが作用し血液と腸内のセロトニンはまた別の働きをします。

血液内のセロトニン

血液内のセロトニンは血管を収縮させ怪我などで出血した際に血小板を放出しカサブタとなり止血を促す作用があります。

腸内のセロトニン

腸内のセロトニンは消化分を肛門まで運ぶ蠕動運動（ぜんどううんどう）を促します。会議やテスト、人混みなどの緊張をした際に下痢症状を起こすことがあります。不規則な生活によるストレスなど様々な要因があるようですが、「腸内セロトニン」の不足が関係して過敏性腸症候群の原因と考えられます。

脳内のセロトニン

脳内のセロトニンは心の平穏、睡眠に大きく関わっています。セロトニンが不足すると不安感に駆られたり、不眠や疲労感が強くなります。

脳内のセロトニンについて詳しく

脳内のセロトニンは睡眠中は放出が制限されています。しかし、朝に近づくにつれ放出量が増えてきます。眼の網膜に太陽光が触れるとセロトニンの放出が活発化し、眼が覚めて意識がハッキリとします。蛍光灯の光でも眼は覚めますが、太陽光の強さには及びません。起床後、なかなか目覚めが悪い場合は日の光を浴びることで解消されます。セロトニンは運動神経を良くするので背筋が伸び、顔の筋肉にハリ、姿勢などが良くなります。季節の変わり目や新しい環境にストレスを感じることがあります。ストレスの影響で悲観的な感情になりやすくなるほか、衝動的な行動に出てしまう事があります。脳内のセロトニンが活性化することでリラックスし緊張状態が解消されます。また、脳内の痛覚伝導路を遮断する作用がありセロトニンが活性化している間は痛みを感じにくくなります。

セロトニンが不足すると

セロトニンが不足するとストレスに非常に脆くなります。普段通りであれば問題に感じなくても、ストレスを感じたり刺激を受けると過剰に反応するようになります。衝動的になり物事を悲観的にとらえます。精神的に不安定にな状態が続き、うつ病や自律神経失調症、パニック障害などの精神疾患に繋がっていきます。セロトニンの不足は脳の前頭前野の動きが低下し無気力状態になり、「慢性疲労症候群」を発症します。

男性の場合、セロトニンが不足すると早漏症の原因にもなります。セロトニンは不安感や緊張感に関する神経伝達物質であるノルアドレナリンの働きを抑制することで気持ちを落ち着かせます。ノルアドレナリンは脳内の射精中枢を刺激し信号を発することでペニスは射精に至ります。セロトニンはノルアドレナリンを阻害しますが、性行為の経験が不足していたり、過去の失敗の記憶などで不安感が強くなってしまうとセロトニンが不足し、射精のコントロールが出来ない状態に陥ります。

セロトニンを増やそう

セロトニンが増えると早漏が治ります。姿勢が良くなり緊張に強くなりお腹を壊しにくくなります。目覚めも良いのでより活発になり生産性の高い仕事が出来るようになります。セロトニンを増やす方法は以下の通りです。

太陽光を30分ほど浴びる
ウォーキングをする
カラオケで腹式呼吸で歌う
物をよく噛んで食べる

ウォーキングは外で行うことで日光浴と並行して行えるので簡単です。カラオケは「一人カラオケ」がお勧めです。一人で歌うこと誰にも邪魔されずにリズム運動を行うことでセロトニンを増やすことが出来ます。食事の際の咀嚼行動も同様にリズム運動になります。

愛を確かめ合う事もおススメです。

性行為をすることで幸せホルモンである「オキシトシン」が分泌されます。オキシトシンはセロトニンの分泌を促進させる効果があるほか、妊婦の陣痛促進ために使用されます。性行為以外にも恋人と手を繋ぐ、マッサージ、井戸端会議やおしゃべりなどでもオキシトシンは分泌されます。しかし、性行為時にオーガズムを感じることがオキシトシンが最も分泌される瞬間です。性行為の経験を重ねることで緊張もほぐれるので、早漏対策にも非常にお勧めの方法です。しかし、セロトニンが不足すると早漏症になってしまい、十分な時間愛を確かめ合う事が出来ない場合もあると思います。そういった方はプリリジー（ダポキセチン製剤）を試して下さい。これはセロトニンを一時的に増やすことが出来る薬剤です。射精のコントロールを4倍から5倍に延長できる効果があります。

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