シルデナフィルクエン酸塩(Sildenafil)とは世界で初めて発売された経口ED治療薬バイアグラ(Viagra)の主成分です。バイアグラはファイザー製薬が製造販売しています。シルデナフィルはすでに特許切れでイアグラジェネリックが世界各国で販売されており、日本でも2014年から販売されています。日本ではバイアグラジェネリックはシルデナフィル50mgVI「テバ」などといった名前でシルデナフィル+用量、「会社名」といった名称となっております。またシルデナフィルは肺動脈性肺高血圧症の治療薬としても承認されておりレバチオ(Revatio)という一般名で処方されています。
シルデナフィルはED治療薬バイアグラの主成分として知られています。シルデナフィルは1990年代にファイザー社が狭心症薬として研究を開始しましたがこの時に勃起を促進する効果が認められ1998年アメリカで世界初の経口ED治療薬として承認されました。日本では1999年に承認されています。バイアグラとしてのシルデナフィルは現在世界の年間の処方数ベスト10に毎年ランキングされているぐらい世界でも多くの方が服用しておりその効果の恩恵を受けています。
シルデナフィルはホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤と呼ばれ、ED治療薬バイアグラとして陰茎海綿体で勃起に関与するPDE-5という酵素の働きを抑え、陰茎周辺部のNO作動性神経に作用して血管を拡張させ、血流量を促すことで勃起の持続力を促します。
シルデナフィルはED治療薬バイアグラとして25mg,50mg,100mgの製剤があります。(日本のみ100mgがありません。)日本では通常シルデナフィルとして50mg錠を1回性行為の前1時間に服用します。効果発現まで30~60分ほどで効果持続期間は3~6時間です。血中濃度のピークは1.5時間前後ですので可能であればそのタイミングで行為を行うのがより効果的です。副作用の頻度がレビトラ・シアリスと比較すると最も多く、また最も食事やアルコールなどの影響を受ける薬剤です。
近年、シルデナフィルは心肺機能を高めるなどの効果がありアンチエイジング効果が指摘されており非常に安全性の高い薬剤ですがシルデナフィルは体に悪いのではないかと逆のイメージを持つ方がいらっしゃいます。これはニトログリセリンや硝酸薬を服用している狭心症患者では併用禁忌とされていますが日本ではこれを個人輸入で入手したものの中にニトログリセリンや硝酸薬を服用している狭心症患者で性行為直後に心停止する事例が数件発生したため危険な薬剤としたイメージがついてしまいました。
またファイザー社のシルデナフィル製剤であるバイアグラの処方数はバイアグラジェネリック発売後、都市部では減少傾向でバイアグラジェネリックの販売価格が安いためバイアグラジェネリックの処方数が増加傾向にあります。
2014年5月、医療用医薬品として日本国内での特許が切れたため10社からシルデナフィル製剤の後発医薬品(バイアグラジェネリック)が発売されています。よく「バイアグラジェネリックのシルデナフィルとバイアグラと比較して違いはどうなのか」と尋ねられますが成分が同じであれば効果や副作用は同じです。ジェネリックは世界共通の決まりがあり、それをクリアしないと厚生労働省からジェネリック医薬品として承認されません。違いはコーティング剤やパッケージが違うのみです。開発研究費がかかっていない分バイアグラジェネリックのシルデナフィル製剤は安く製造することができます。そのため価格を安く販売できるのです。
またバイアグラジェネリックは本家ファイザー社より優秀な製剤もあります。『シルデナフィルOD錠50mgVI「トーワ」』です。東和薬品が製造販売しているシルデナフィル製剤ですが水なしで服用できるOD錠になっており、またレモン風味やコーヒー風味と飲みやすく改良されている点もすぐれているところでしょう。
富士化学工業のシルデナフィル製剤は完全コピーのシルデナフィルです。コーティングなどすべてバイアグラと同一ものになっています。
バイアグラジェネリックはシルデナフィル製剤では都市部で最も人気があり、バイアグラをしのぐ勢いとなっています。ユナイテッドクリニックでもシルデナフィル製剤ではバイアグラの処方数は減少傾向でバイアグラジェネリックが人気です。ユナイテッドクリニックではテバ社製や東和薬品のOD錠など複数社のシルデナフィル製剤があります。
海外ではED治療薬として「カマグラ」「カマグラゴールド」などのシルデナフィル製剤が多く通販や個人輸入で入手することができます。カマグラはチュワブルやゼリーなど多くの製剤がそろっていてバナナ味など摂取しやすいように工夫がされています。海外製のシルデナフィル製剤は100㎎が主流です。通販や個人輸入代行で安い価格で販売されていますが偽物・偽造品が多いことが知られていますのでご注意ください。