ロゲイン(Rogaine)とは薄毛・AGA治療薬のことでミノキシジルを主成分とする塗り薬いわゆる外用薬です。ロゲインは世界で初めて販売されたミノキシジル外用薬です。スプレータイプの泡状で頭皮に塗布することで発毛効果があり、40ヵ国以上で販売されています。日本では大正製薬が販売しているリアップのほうが有名ですがリアップはロゲインを元につくられています。ロゲインの発毛効果は日本皮膚科学会の男性型脱毛症診療ガイドラインにおいて「行うよう強く勧められる」のAランクに指定されており、医学的に効果が実証されています。ロゲインは男性の場合5%、女性の場合1%の用量が推奨されており、2%も存在します。
ロゲインは元々は高血圧の薬剤としてアップジョン社(現在のファイザー製薬)が研究していたところ多毛の症状が見られたため男性型脱毛症治療薬として臨床研究され1992年よりアメリカで販売が開始されました。最初は2%のミノキシジルの外用薬を2%ロゲインが販売され、その後各種用量が販売されています。ロゲインは様々なジェネリックもありカークランドミノキシジル、ポラリス、フォリックスなどが有名です。
髪の毛はヘアサイクルという抜けては生えるを繰り返しています。ヘアサイクルは退行期(2週間)成長期(2~6年)休止期(3ヵ月)で成り立っており約2~6年で生え変わります。1日50~100本ほどは抜けるといわれておりヘアサイクルがうまくいかないと、髪の毛はしっかりと育たずに脱毛し薄毛が目立つようになります。ミノキシジルは髪の毛の毛母細胞に直接働きかけることで細くなった毛を太くしっかり発毛させる効果があります。また休止期の毛包にも働きかけることで発毛を促させます。
ロゲインは適量1mlを手に取り完全に髪の毛が乾いた状態で、薄毛部位、抜け毛部位、脱毛部位へ指の腹で揉みこむように染み込ませます。爪でやってしまうと頭皮を傷つけてしまうためゆっくり柔らかい部位でマッサージするといいでしょう。ミノキシジルが浸透すると頭皮下の血管が拡張し、血流が増加することで毛根へ栄養や酸素など髪の毛に行き届きやすくなり発毛促進します。詳しく説明すると、ロゲインを使用した際に頭皮の血管の中では有効成分ミノキシジルが毛包に作用し血管拡張することで毛母細胞、毛乳頭細胞が活性化されて細胞分裂が活発になります。分裂が活発になることでカリウムチャンネルが活性化され、局所での血流が増加して小さくなっていた毛包を大きくさせて発毛します。
ロゲインの効果が現れはじめるのはおよそ半年後です。臨床データでも半年くらいから軽度改善、中等度改善がみられるようになり、1年使用することで中等度改善が増えて、変化なしが大幅に減っています。髪の毛はヘアサイクルが重要ですので基本的に年単位での治療で効果を判定することが望ましいとされています。
ロゲインは外用薬のため比較的副作用が少なく、発疹、発赤、かゆみ、などの症状があります。ロゲインの有効成分ミノキシジルへのアレルギーだけでなくロゲインに含まれるアルコールなどに反応する場合もあります。体質的に何かしらのアレルギーをもっていたり、他の塗り薬でアレルギー症状がでた経験がある方は気を付けたほうがいいでしょう。また、血管拡張作用により頭痛やめまいが起こる可能性もありますが頻度としては低く、過度に心配する必要はありませんが症状が続く場合は一旦使用を中止して医師に相談しましょう。
ロゲインは外用薬で薬剤は皮膚吸収で効果がでるため生え際や気になる部位などの局所の治療に向いている薬剤です。より効果を求める場合はミノキシジルの錠剤(ミノキシジルタブレット)のほうが全身に作用しますので効果が高いことが知られています。またヘアサイクルを改善する内服薬が2種類あり、フィナステリド(プロペシア)とデュタステリド(ザガーロ、アボルブ)です。フィナステリドは生え際~頭頂部に存在する5αリダクダーゼⅡ型酵素を抑える効果があり、デュタステリドは髪の毛全体に存在する5αリダクダーゼⅠ型とⅡ型を抑える効果でより強力な脱毛抑制効果が期待できる薬剤です。5αリダクダーゼⅠ型とⅡ型を抑えることでヘアサイクルを乱している原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えてヘアサイクルを改善して脱毛を防ぎます。ロゲインとミノキシジルタブレット、フィナステリド、デュタステリドの併用は可能で、併用したほうが相乗効果で早く効きます。ミノキシジル+フィナステリド、ミノキシジル+デュタステリドはAGA治療のスタンダードな治療です。
ロゲインを使用するには直接海外で購入するか、個人輸入で購入するしかありません。個人輸入代行業者に頼んで本物が来る可能性もあるのですが、期限が切れていたり、出所がわからないため異物が混入している偽物や違う薬剤が入っているという事例もありますのであまりお勧めしません。AGA専門外来ではミノキシジルの外用薬を販売しているところがありますので、医師の診察を受けてしっかりした流通経路を持つクリニックでの購入をお勧めいたします。