タダリフトの偽物を飲まないようにしましょう

コラム

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2018.03.03

ED治療薬シアリスのジェネリックに「タダリフト」というものがあります。タダリフトは日本で市販されていませんので、輸入代行を利用する方がいらっしゃるようですが、輸入代行サービスを利用すると偽物が含まれることが調査で明らかになっており、特にタダリフトは偽物が多く流通しているといいます。偽物の薬剤で健康被害が起こる可能性もありますので、このようなサービスを利用するとこは決してお勧めできません。

タダリフトとは

シアリスのジェネリックは、日本ではまだ市販されていませんが、海外では広く利用されています。その中でも「タダリフト」は世界的製薬メーカーのファイザー社で製造・販売されているシアリスジェネリックになりますので、信頼度が高く人気の高いジェネリック医薬品です。逆に言えば、一般の方からの需要が高いために、偽物が多く存在してしまうのです。

バイアグラ(成分名：シルデナフィル)を取り扱っているファイザー社が、シアリスジェネリックを製造・販売しているのは一見不思議に見えますが、それだけシアリスの主成分「タダラフィル」に対する需要が高まってきていることも言えそうです。日本においてはバイアグラの発売から経つこと7年目の2016年10月21日に、「バイアグラODフィルム」という新形態のバイアグラが発売されました。これはフィルム錠のバイアグラ(成分名：シルデナフィル)で、舌の上で溶かして服用することができますので、水なしで飲めるということ、またフィルム状になっており外装を含めても錠剤のようにかさ張らず、財布などに携帯できるという2つのセールスポイントがあるのです。

まだまだ需要に応えられていないメーカー側からの提案がこのような形で出てきているといえます。

タダリフトの効果

シアリスジェネリックであるタダラフィルには当然、シアリスと同等の効果が期待できます。その他の「PDE-5阻害薬」と呼ばれるED治療薬と同様に、簡単に言うと「陰茎の海綿体への血流を止めようとする働き」を阻害することで、陰茎の硬さをしっかり出し、持続させる効果があります。

勃起は、性的な刺激が脊髄の「勃起中枢」に届くことで指示の伝達が始まります。勃起中枢から神経を伝達し、海綿体付近の血管でNO(一酸化窒素)が放出されると、NOの作用によってcGMP(Cyclic Guanosine MonophosPhate ＝環状グアノシン一リン酸)という物質が分泌されます。このcGMPの働きによって海綿体への血流が促され勃起が起こります。通常この働きを収めるために、「PDE-5(PhosphoDiEsterase-5 =ホスホジエステラーゼ5 )」という酵素によってcGMPは分解されてしまいますが、タダリフトをはじめとしたED治療薬にはこのPDE-5の働きを阻害する効果があり、それにより勃起を促すことができるのです。これらのED治療薬は「PDE-5阻害薬」とも呼ばれます。

30～36時間の持続効果

タダリフト(成分名：タダラフィル)の特徴として、一つ目に「長い持続時間」が挙げられます。シアリス(：成分名タダラフィル)の市販が始まるまでのED薬は、行為の直前に服用することが一般的で、服用するタイミングが難しいというデメリットがありました。タダリフトの錠剤の規格は20mgのみになりますが、タダラフィル20mgの効果時間は30時間～36時間にも及びます。もちろん個人差はありますが、デートの前に飲んでおけば慌てて直前に服用する必要もなく、余裕をもって性行為に臨むことができるのです。

食事の影響をほとんど受けない

タダリフトは食事の影響をほとんど受けないとされています。これもシアリス(成分名：タダラフィル)以前のED薬ではなかった特徴です。今でも時々相談を受けることがありますが、せっかく購入したバイアグラ(成分名：シルデナフィル)がほとんど効かなかったという方のほとんどが、服用前に食事を摂ってしまっているのです。レビトラ(成分名：バルデナフィル)や特にバイアグラは、服用前に食事を摂ってしまうと胃にできた食品の油の膜によって成分の吸収が阻害されてしまい、薬剤の効果をほとんど得られなくなってしまうことがあるのです。

タダリフトの偽物とは

タダリフト(成分名：タダラフィル)について見ていくと、非常に利用しやすいED治療薬であることがわかります。実際に世界的な先発品のシェアで見ますと、2013年、バイアグラ、レビトラ、シアリスではシアリスのシェアが1位となっているようです。ただこのような人気から偽物が市場に出回ってしまいがちであることも事実です。タダラフィル製剤の偽造医薬品で引き起こされた健康被害について、2011年4月に厚生労働省から注意喚起が発表されています。発表によると

“平成22年6月頃に40歳代の男性が偽造医薬品であるシアリス錠50mgを服用し、数時間ケイレン、意識低下を生じ同センター(奈良県立医科大学附属病院)に搬送され、脳の静脈に血栓があることが確認されたが、その後回復し退院された。
なお、これらの症状と模造医薬品を飲んだこととの因果関係は否定できない。
また、当該男性には既往症やほかの薬品の副薬歴は不明。”

としています。(以上、「模造医薬品による健康被害に対する注意喚起」より抜粋)

シアリスの規格は5mg、10mg、20mgの3種類のみで、50mgは存在しません。また、ケイレンや意識低下などの症状から見ても、男性が服用してしまった偽物のシアリスには通常はED薬に使用されない成分が使用されていたことが予想できます。このような健康被害が日本でも起こっているのが実態なのです。

タダリフトの偽物を飲まないために

冒頭でもお伝えしましたが、タダリフトをはじめとしたシアリス以外のタダラフィル製剤を手に入れるには、現在海外からの輸入以外に方法がなく、実際に輸入するとなると「輸入代行業者」へ依頼する形が一般的になっています。タダリフトなどのED治療薬をこの輸入代行業者を通して手に入れようとすると、先にお伝えしたような偽物の医薬品が混入したとする調査結果があり、決してお勧めできません。

ED治療薬の処方は必ず専門の医療機関、クリニックで受けるようにしてください。

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