シルデナフィルは体に悪い？

コラム

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2018.02.22

sildenafil(シルデナフィル)とは、ED治療薬バイアグラの主成分の名前です。成分名で薬剤を指す場合、通常はジェネリック医薬品であることを意味します。

ジェネリック医薬品とは

通常新成分が開発されるとき、そのメーカーが特許を取得することで独占的にその薬剤を販売することができます。その際薬剤につけられる価格というのは、かかった費用などの原価を含めあらゆるものが上乗せされますが、その中でも大きい割合を占めるのが「開発費」です。ジェネリック医薬品とは、薬剤の特許が切れることで使用を独占していた開発メーカー以外から販売される医薬品のことを指します。

例えば東和製薬のバイアグラジェネリックであれば、シルデナフィルOD錠50mgⅤⅠ「トーワ」という名前になります。

バイアグラとシルデナフィルの違い

バイアグラと、バイアグラジェネリックである「シルデナフィル」では何か効果に違いがあるのでしょうか。答えとしては「ノー」です。

先発医薬品が基礎研究に5~8年、臨床開発に3~7年、承認申請と審査に1~2年経たのちに承認を得て、市販へと至ります。一方の後発(ジェネリック)医薬品も期間は短くなっていますが、後発医薬品申請のための試験に1~2年、承認申請と審査に1年というチェックを受ける期間を迎えて、ジェネリック医薬品としての承認を得ることができます。ここで問題がある場合は当然承認を得ることはできません。

また厚生労働省「ジェネリック医薬品への疑問に答えます」において、ジェネリック医薬品について以下のように記しています。

“ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発医薬品と同一の有効成分を同一量含み、同一経路から投与する製剤で、効能・効果・、用法・用量が原則的に同一であり、先発医薬品と同等の臨床効果・作用が得られる医薬品をいいます。研究開発に要する費用が低く抑えられることから、先発医薬品に比べて薬価が安くなっています。”

としています。つまり、効果としては違いがないものなのです。

シルデナフィルの副作用

前述通りシルデナフィルもバイアグラと効果・効能は変わりませんので、当然同様の副作用が同様の頻度で出ることが分かっています。バイアグラ錠の市販後使用成績調査3152例(再審査終了時)において、166例(5.27%)に副作用又は臨床検査異常値が認められたとしています。主な副作用又は臨床検査異常は、血管拡張(ほてり、潮紅)97例(3.08%)、頭痛34例(1.08%)、動悸(0.41%)等です。

バイアグラ(シルデナフィル)は体に悪い？

この結果を受けて「バイアグラが体に悪い」と結果を出すのは難しいと言えます。以前日本で承認を受ける前に自信の判断で個人輸入で服用していた方が、併用することが出来ない禁忌薬とされている薬剤を同時に飲んでしまったために死亡するという事例がありました。この事例などがきっかけで「バイアグラは危険」とする誤解を広がってしまっていますが、以上の副作用からも見ても正しい服用方法が守られていれば比較的安全な薬剤であることが分かります。

禁忌とされている狭心症の薬剤との併用で死亡例がある点、比較的その他のED治療薬に比べバイアグラ(成分名：シルデナフィル)の副作用が多い点などから、このような噂が広まっているのではないかと思います。最近ではアメリカの医学誌において、バイアグラなどのED治療薬がカテキンの抗がん作用をより高める調査結果なども報告されており、EDの改善以外でのバイアグラのポジティブな要素も明らかになってきており、QOLの向上に貢献する面も大きいことが知られてきています。

シルデナフィルの飲み方

シルデナフィルは、普通のお薬と同じように水で服用します。ここで、最も注意していただきたいのは、食事の直前・直後での服用は避けるということです。シルデナフィルは胃で一番吸収されますが、食事を摂ってしまうことで胃に油分などの膜が張られてしまうと、吸収が阻害されてしまう事でシルデナフィルの効果がなくなってしまうのです。食後であれば2時間程度、食前であれば1時間程度時間を空ければ、シルデナフィルの吸収には影響が出ないとされています。シルデナフィルの効果は4～5時間は持続しますので、おすすめの服用のタイミングとしては食事の前がよいでしょう。

錠剤のタイプ

現在シルデナフィル錠としては、錠剤、OD錠、ODフィルムの3タイプがあります。普通の錠剤は、先発品はあの特徴的な青色、ジェネリックでは青色があまり良い印象を持たれなかったようでピンク色の錠剤が多く採用されています。

先ほど東和製薬のシルデナフィルを挙げましたが、こちらがOD(Orally Disintegrating = 口腔内崩壊)錠に当たります。飴のように口の中で水分に溶ける使用になっており、水なしでどこでも服用することができます。

また同じく水なしで服用できるのがODフィルムです。これはファイザー社から発売されているバイアグラの別バージョンにあたり、薄いフィルム状のシートになっており、OD錠と同様に口の中で水なしで服用できます。ポケットや財布などに入れておくのに便利な携行性の高い作りになっており、いざとなったときにも対応できるED治療薬利用者にはありがたい仕様になっています。

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