アボルブジェネリック(デュタステリド)

コラム

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2020.07.05

主成分が「デュタステリド」であるアボルブのジェネリック医薬品であるアボルブジェネリックが国内で東和薬品や沢井製薬、日本ケミファ株式会社などから販売されました。海外では多数の製薬会社が製造・販売していますが、国内では初めてのジェネリック医薬品になります。商品名は成分名＋会社名になるので、アボルブジェネリックという名前ではなく、「デュタステリド+用量+AV(アボルブの略)+会社名」になります。他の製薬会社からも今後製造・販売されるでしょう。アボルブジェネリックの主成分であるデュタステリドは、男性ホルモンの働きを抑えて、肥大した前立腺を小さくし、尿の排泄を促す等の前立腺肥大症治療薬です。また、AGA(男性型脱毛症)にも効果があり、同じデュタステリドを主成分とし、AGA治療薬として発売した「ザガーロ」と効果が同じになります。

ジェネリック医薬品とは

新しい医薬品を開発するためには、長い年月と莫大な費用がかかります。そのため、先発医薬品を開発した会社は、特許によって権利が守られます。基本的に特許権は開発してから原則20年、最大で25年の存続期間が設けられ、他の会社は同じ成分の薬を作ることができません。ジェネリック医薬品とは、正式には後発医薬品と呼ばれ、特許存続期間の終了した先発医薬品と同じ主成分を使って製造された医薬品です。先発医薬品と違い開発費のコストが大幅に抑えられているため、先発医薬品よりも安価で市場に出回ります。

ちなみにジェネリック(generic)とは和訳すると「汎用の」や「一般的な」という意味があります。

アボルブジェネリック(デュタステリド)の効果

アボルブジェネリックに含有されている有効成分・デュタステリドは、テストステロンからDHT(ジヒドロテストステロン)に変換する酵素である5α還元酵素の働きを抑えることにより、血中や前立腺組織中のDHTの濃度を低下させることにより、肥大した前立腺を小さくし、尿の排泄を促したり、頻尿、残尿感などの症状を改善する薬剤です。
AGAにはDHTが関わっているので、AGA治療にも有効です。5α還元酵素のI型とII型の両方を阻害し、血中のテストステロンを低下させないため、性機能障害の副作用が少ない薬剤です。

アボルブジェネリック(デュタステリド)の用法・用量

前立腺肥大症の方は、成人にはデュタステリドとして1回0.5mgを1日1回経口投与する。
AGAの方は、成人にはデュタステリドとして0.1mgを1日1回経口投与する。なお、必要に応じて0.5mgを1日1回経口投与する。AGAに関しては、最大量の0.5mgを1日1回服用する旨、医師から診断を受けた方のみ使用してください。1日分を飲み忘れたからといって、次の日に2回分服用するのは絶対にやめてください。
また、AGA治療の十分な効果を得るためには最低でも半年の服用が必要です。症状がよくなっても、自分勝手に服用の中止をしないでください。

アボルブジェネリック(デュタステリド)使用上の注意

・デュタステリドは経皮吸収されることからカプセルから漏れた薬剤に女性と小児は触れないこと。
・デュタステリドはPSA(血清前立腺特異抗原)に影響を与えるので、前立腺癌等の検査に際しては検査を行う医師には必ず使用していることを伝えてください。
・服用を中止してから6ヶ月経過しないと献血はできません。

アボルブジェネリック(デュタステリド)を服用できない方

・アボルブやアボルブジェネリックの成分、5α還元酵素阻害薬に対し過敏症の既往歴のある方
・女性・小児の方
・重度の肝機能障害のある方
・肝機能障害のある方

デュタステリドのネット通販・個人輸入には要注意

多くの通販サイトで海外のジェネリック医薬品の口コミ・レビューなどが書いてあり、かなりの安価で輸入することができます。しかし、製薬会社が行った調査によると、ネットで出回っている約6割が偽物だという事が判明しています。偽物の薬剤には有効成分が入っているかも分かりませんし、人体に害を及ぼす危険性もあります。専門の病院やクリニックなどでは、医師が薬監証明を取得することで海外医薬品を処方することが可能です。ジェネリック医薬品は医療機関を受診するほうが安全で確実です。