恐らくED治療薬として最も有名な「バイアグラ」ですが、現在では製造元であるファイザー社が保有する特許が失効したことにより、多くの製薬メーカーから全く同じ有効成分・効果のいわゆる「バイアグラジェネリック」が販売されています。
今回は2014年6月23日に厚生労働省より製造販売承認を取得し、同年8月20日に販売開始されたあすか製薬株式会社が製造し武田薬品工業株式会社が販売する『シルデナフィル錠50mgVI「あすか」』についてお話します。
シルデナフィル錠50mgVI「あすか」
シルデナフィル錠50mgVI「あすか」とは、東京都に本社を置くあすか製薬株式会社が製造し、大阪に本社を置く武田薬品工業株式会社が販売するバイアグラジェネリックです。
先発医薬品であるバイアグラは25mg錠、50mg錠、日本国外ではこれに加えて100mg錠の3用量ですが、このシルデナフィル錠50mgVI「あすか」は50mg錠のみとなります。普段バイアグラ25mg錠を使用している方は割線から半分にして服用するといいでしょう。
剤形は楕円型で色は先発のバイアグラとよく似た青色です。
※画像はあすか製薬株式会社公式HPより
有効成分はバイアグラと同じシルデナフィルで、PDE5阻害薬に分類されます。
PDE5とは、平滑筋弛緩またそれに伴う血流増加作用を持つ勃起に必要な物質である環状グアノシン一リン酸を分解する酵素です。
シルデナフィルによりPDE5の働きが妨げられることで、陰茎周辺部の環状グアノシン一リン酸の濃度が保たれ、それにより陰茎海綿体への血液の流入が安定し、勃起が促されます。
あすか製薬株式会社とは
あすか製薬株式会社とは、1920年(大正9年)に神奈川県横浜市で創業し東京都港区に本社を置いた「帝国臓器製薬株式会社」と1930年(昭和5年)に創業し東京都中央区に本社を置いた「グレラン製薬株式会社」が2005年(平成17年)10月1日に合併したことで誕生した製薬会社です。
主要の製品としてH2ブロッカーである「アルタット」や甲状腺ホルモン製剤である「チラーヂン」があります。
またあすか製薬株式会社は自社製品の製造だけにとどまらず、他社製品の受託製造も行っています。
武田薬品工業株式会社とは
武田薬品工業株式会社とは、1781年(天明元年)6月12日に武田長兵衛により幕府免許の元、大阪府大阪市にて創業され、1925年(大正14年)に設立された国内においてはアステラス製薬、第一三共、大塚ホールディングス、エーザイと共に5大医薬品メーカーに数えられる製薬会社です。
製薬業の他にも運送業、倉庫業、出版業、不動産管理業と幅広い事業を展開しています。
同社は多種多様な薬剤を製造していることから、世界約100ヵ国で流通しています。
初代 武田長兵衛氏 ※画像は武田薬品工業株式会社公式HPより
シルデナフィル錠50mgVI「あすか」の効果・副作用・服用方法
シルデナフィル錠50mgVI「あすか」は、バイアグラと同一のシルデナフィルを有効成分としたED治療薬である事から、効果や副作用や服用方法も同一のものとなります。
有効成分のシルデナフィルの作用により、陰茎周辺部の血管が拡張され血流量が増加し、勃起を助けます。よく「バイアグラを服用したら勃ちっぱなし?」というご質問がありますが、あくまで性的刺激が無い状態では勃起しません。またシルデナフィルには催淫効果や性病の予防効果はありません。
シルデナフィル錠50mgVI「あすか」は、水またはぬるま湯等で行為の30分~1時間程度前に服用してください。
またシルデナフィルは胃や腸に食べ物の脂が付着した状態では身体に上手く吸収されずにそのまま便として排出される可能性が高まります。その場合、当然ながら効果が弱まったりまたは全く出ないといった事も多々あります。必ず空腹時に服用するようにしましょう。
患者様から「○○くらいなら食事した後の服用でも大丈夫?」とのご質問が多々ありますが、薬の効き等の個人の観点からこちらからは明確にお答えする事は出来ません。失敗しないためにはお食事はとらない方が良いでしょう。
シルデナフィルの副作用としては陰茎周辺部以外の血流量増加による頭痛や鼻づまりが良く知られています。
またこれらは全く出ない方もおり、出た場合もいずれも重篤なものでは無いのでご安心下さい。
シルデナフィル錠50mgVI「あすか」処方
シルデナフィル錠50mgVI「あすか」は取り扱いのある専門の医療機関での処方が一般的な入手方法です。
有効成分のシルデナフィルにはいくつかの服用禁忌がある事から、必ず問診の際に医師に持病や服用中の別のお薬について開示してください。
シルデナフィル錠50mgVI「あすか」まとめ
①製造はあすか製薬株式会社、販売は武田薬品工業株式会社
②有効成分はバイアグラと同じシルデナフィル 50mg錠のみ
③処方箋医薬品の為、購入は医療機関で
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記事監修
- 2008年
- 久留米大学医学部医学科卒業
- 2008年~
- 福岡大学病院にて卒後臨床研修後、同大学医学部形成外科に入局 (2017年3月退局)
- 2011年
- 山口県済生会下関総合病院形成外科
- 2012年
- 新小文字病院形成外科
- 2013年
- 福岡大学大学院生体制御系専攻入学(2017年3月修了)
- 2014年~
- 正樹会佐田整形外科病院形成外科
- 2016年
- 九州中央病院形成外科
- 2017年4月
- ユナイテッドクリニック福岡博多院院長就任