ダイエット治療で処方される食欲抑制剤に「サノレックス(一般名:マジンドール)」という薬剤があります。食事の前に服用し食欲を抑えることで、食事量を減らし、過食を抑制する効果があります。サノレックスにはどのような副作用があるのか、飲むる人、飲めない人にはどのような基準があるのか、についてお話していきます。
サノレックス(成分名:マジンドール)とは
富士フイルムの医薬品を取り扱う部門に、「富士フイルムファーマ株式会社」というメーカーがありますが、サノレックスは現在このメーカーから市販されています。
マジンドールという成分はノバルティスファーマ株式会社というアメリカの製薬メーカーで1967年に開発され、アメリカで1973年に市販が始まった後、日本では1992年に市販が始まっています。「食欲抑制剤」としての薬剤で、日本で初めての承認を受けました。その後の2014年12月22日に製造・販売の権利が、現在サノレックスを取り扱っている富士フイルムファーマ株式会社に移りました。
マジンドールの成分が覚せい剤「アンフェタミン」というものに成分が似ていることから、依存性の心配があることに加え、2015年10月には利益目的で大量に横流しした医師が逮捕されるなど、ネガティブな面が大きく取りざたされていますが、正しい服用方法を守れば安全に、効果的に利用することが出来ます。決して危ない薬剤ではありません。
サノレックスの効果
サノレックスにはどのような食欲抑制の効果あるのでしょうか。簡単に言うと空腹感を満たし、満腹感を得やすくすることで、食事の量を抑える効果と言えます。人の体は、脳の視床下部という箇所の「摂食中枢」と「満腹中枢」という二つの場所でバランスをとることで、食欲をコントロールし、ひいては適切な食事をとるようにできています。サノレックスにはこのどちらの中枢にも刺激を与えることで、空腹を満たすことができるのです。
加えて、サノレックスには消費エネルギーを促進する効果、代謝の低下を抑える効果がある事が分かっており、これによりエネルギーの消費も促すことができます。「食事制限」と「適度な運動」がダイエットの基本ですが、そのどちらもサポート的に働く効果が期待できるのです。
では添付文書から試験の結果からサノレックスの効果を見ていきましょう。
“高度肥満症患者(BMIが35以上)44例中における本剤の臨床効果判定は、食欲抑制効果及び体重減少効果等を調査して行った。全般改善度は中等度改善異常で43.2%(19/44)、軽度改善以上で75.0%(33/44)であった。
また、プラセボを対象とした二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が確認された。”
(以上サノレックス添付文書より抜粋)
7割以上の方に「軽度改善以上」が認められており、効果の高さが見受けられます。
サノレックスの副作用
サノレックスの副作用として、「依存性」が出る可能性がありますがどの程度の頻度なのか、その他の副作用にはどのようなものがあるのか、見ていきましょう
まず覚醒剤「アンフェタミン」に構造が似ていることから起こりやすいとされている「依存性」ですが、実際に試験が行われているわけではなく、サルの投与試験において「摂取頻度の増加」、イヌの投与試験において「幻覚様異常行動」が確認されているのみで、人においては頻度は不明としています。服用にあたっては連続で服用する場合は長くても3ヵ月までにし、それ以降の服用に関しては念のため半年間は休薬期間を設けるようにしましょう。
その他の主な副作用としては口渇感、便秘、悪心・嘔吐、睡眠障害、胃部不快感などが挙げられます。
サノレックスを飲める人・飲めない人
添付文書においてサノレックスが処方の対象としているのは、肥満度が「+70%以上」、又はBMIが「35以上」の方です。ではそれぞれどのような数値なのか見ていきましょう。
肥満度(%) = (実測体重-標準体重) ÷ 標準体重 × 100
BMI = 体重(kg) / 〔身長(m)〕²
以上の数式でそれぞれの数値を算出することができます。肥満学会から発表されている目安を一覧にまとめましたので、みなさんもご自身の肥満の度合いを確かめられてみてはいかがでしょうか。
では、実際に処方を受ける際にはどのような基準で、処方の可否が決まるのでしょうか。詳しくはそれぞれの肥満外来で医師とご相談いただくのが一番良いですが、基本的には「BMIが35以上」の方が処方です。基準に満たない場合、保険診療の対象として処方を受けることが出来ないかもしれません。自由診療の専門クリニックでは処方を行っているところもあるようですが、いずれにしても肥満の改善には、投薬だけでなく食事の摂り方や定期的に適度な運動をするなどの、生活習慣の見直しも不可欠です。サノレックス頼みにならないような改善方法も、併せて考えていく必要があります。
サノレックスが飲めない方
BMIで基準に満たない場合以外にも、サノレックスを服用できない条件があります。添付文書から見ていきましょう。
“(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)緑内障の患者[眼内圧が上昇するおそれがある。]
(3)重症の心障害のある患者[症状が悪化する恐れがある。]
(4)重症の膵障害のある患者[インスリン分泌抑制作用を有する]
(5)重症の腎・肝障害のある患者[代謝又は排泄が遅延するおそれがある]
(6)重症高血圧症の患者[カテコラミンの昇圧作用を増強する]
(7)脳血管障害のある患者[症状が悪化する可おそれがある]
(8)不安・抑うつ・以上興奮状態の患者及び統合失調症等の精神障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
(9)薬物・アルコールの乱用歴のある患者[このような患者では一般に依存性、乱用が起こりやすいと考えられる。]
(10)MAO阻害剤投与中又は投与中止後2週間以内の患者
(11)妊娠又は妊娠している可能性のある婦人
(12)小児”
(以上サノレックス添付文書より抜粋)
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記事監修
- 平成16年
- 秋田大学医学部医学科卒業
- 平成16年
- 上尾中央総合病院
- 平成26年
- ユナイテッドクリニック池袋院
- 平成27年
- ユナイテッドクリニック上野院
- 平成29年
- ユナイテッドクリニック大宮院院長就任