若返りの妙薬！？DHEAとは

コラム

column

2017.11.27

紀元前中国を治め、初代皇帝となった始皇帝は「不老不死」を追い求め水銀を服用していたという説があり、また18世紀にはヨーロッパを中心にサン・ジェルマン伯爵という人物が自らを不老不死と称し、社交界の話題を集めていました。
現代でも若返りは「アンチエイジング」という言葉に置き換わり、人々の興味を引きたたています。
いつの世も人は永遠に若々しくいたいと考えていることが分かりますね。

さて、さすがに「不老不死」とまではいきませんが、服用する事で体内のホルモンの総量を上げ疲れにくく若々しい肉体を得られることで、アメリカを中心に「若返りのピル」と呼ばれ親しまれているDHEAを皆さんはご存知でしょうか？

DHEAとは

DHEAとは、デヒドロエピアンドロステロンというヒトの体内に存在するホルモンで、主に副腎や性腺で分泌され、後に筋肉増強や精子形成等に必要な男性ホルモンである「テストステロン」や子宮発育等に必要な女性ホルモンであるエストロゲンに変換されます。つまり男性/女性ホルモンの原料と言えますね。
このDHEAは通常思春期以降から分泌が開始され、20歳代をピークにその後分泌量が低下し、80歳代ではほとんど分泌されなくなります。
それを補う事を目的とした補助医薬品が今回お話ししているDHEAとなります。
現在ではDHEAはヒトの体内で様々な疾患の予防をしていると考えられています。

DHEAの作用

DHEAには継続服用する事で様々な作用が確認されています。いくつか紹介しますと

①インスリンの働きを助ける事による糖尿病予防
②筋力の低下を抑える事による基礎代謝の維持、それによる体脂肪の減少
③動脈硬化の予防
④脂質異常症の予防
⑤免疫力を高める事により炎症を抑え、また腫瘍の形成を予防
⑥アルツハイマー病の予防・改善
⑦不妊症の改善
⑧ストレスの緩和
⑨意識の向上
⑩LOH症候群（男性更年期障害）の予防・改善

この様にDHEAには様々作用がある事が分かります。
「若返り」というよりは「老化のプロセスを遅延させ、老化しにくい体をつくる」という方が適切な表現かもしれませんね。

DHEAとLOH症候群（男性更年期障害）によるED

更年期障害と聞くと一般には壮年女性に起き得るものとのイメージがありますが、実は男性にも頻繁に起こり得ることを皆さんご存知ですか？
先にお話しした通り、DHEAは体内での分泌が20歳代をピークに減少していく事から女性ならエストロゲンが男性ならテストステロンの値が加齢とともに減少していき、それに伴う諸症状を更年期障害と称します。

男性更年期障害の場合の症状としては
①心理面症状・・・抑うつ、不安、疲労感、記憶・集中力の低下　等
②身体面症状・・・睡眠障害、発汗、ほてり、性機能の低下（ED、リビドー減退）　等
が挙げられます。

一般にEDには動脈硬化や糖尿病といった身体的要因によっておこる「器質性ED」と緊張やストレスによっておこる「心因性ED」、抗うつ薬等の服用中の薬剤の副作用で起こる「薬剤性ED」があります。
男性更年期障害が原因としておこるEDはこのうちの「器質性ED」に該当します。

DHEAの継続服用により男性更年期障害の予防・改善、それに伴うED症状の根治治療も期待できます。