ED薬の併用禁忌薬

コラム

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2017.11.20

ED(勃起不全)にお悩みの方に非常に有効な医薬品として知られているED治療薬ですが、他の医薬品と併用することで思いがけない副作用が発現してしまう事もあります。それらのお薬は「併用禁忌薬」と呼ばれ、一緒に服用することが出来ません。また、使用時に十分注意が必要だが併用することが可能な「併用注意薬」とよばれるものもあります。どのようなお薬がED治療薬の併用禁忌併用注意となっているのか、これからご説明していきます。

硝酸剤・一酸化窒素供与剤

狭心症や心臓病の治療に使用されることの多い硝酸剤・一酸化窒素供与剤はED治療薬との併用は禁忌とされています。これらの薬剤には血圧を下げる作用があり、同じような作用を持つED治療薬と併用した際に急激な血圧の低下が起こる可能性があるからです。経口薬、スプレー、張り薬、塗り薬、吸入薬など様々なタイプがありますが、いずれもED治療薬との併用は出来ませんのでご注意が必要です。

例:ニトログリセリン、ニトロール、アイトロール、シグマート等

抗不整脈薬

抗不整脈薬には6つの分類がありますがその中のⅢ群に含まれる”塩酸アミオダロン・アンカロン”はED治療薬の併用禁忌となっています。それらの成分はED治療薬と併用することで心臓の鼓動に異常をきたす(QT延長)可能性があるため併用禁忌となっています。また塩酸アミオダロンは服用を停止した後も体内に長い間残るので、服用を停止したとしてもすぐにED治療薬を服用するのは危険なのでご注意ください。またレビトラにおいては上記以外にクラスIaに含まれる”アミサリン・リスモダン・シベノール”等のお薬も併用禁忌となっています。シアリスに関しては抗不整脈薬は併用禁忌とはなっていませんが、併用注意と考えられています。

例:アンカロン錠、アミオダロン塩酸塩錠、アミサリン、リスモダン、シベノール等

慢性血栓塞栓性肺高血圧症治療薬の一部

こちらのお薬はバイアグラの併用禁忌になります。併用することによって細胞内のcGMP濃度が増加し全身血圧に影響を及ぼし、症候性低血圧を引き起こす可能性があります。

例:アデムパス

抗ウイルス薬・抗真菌薬の内服する薬・チトクローム阻害剤

これらの3種類の薬はレビトラの併用禁忌となります。バイアグラ、シアリスにおいては併用注意薬となります。抗ウイルス薬ではHIV治療薬など、内服する抗真菌薬ではイトラコナゾール等が併用禁忌となっています。これらのお薬はED治療薬と併用することでED治療薬の血中濃度が上昇しすぎる可能性があります。

例:HIV治療薬、イトラコナゾール、リトナビル等

併用注意薬

併用注意薬は使用上の注意を守ることでED治療薬の併用が可能なお薬になります。血圧が下がりベッドやソファーの上など予め安全な場所で服用するように心がけましょう。

降圧剤、α遮断薬(高血圧・前立腺治療に用いられる治療薬の一部)、CYP3A誘導剤、急性心不全治療剤が併用注意薬として挙げられます。

例:降圧剤(アムロジン等)、α遮断薬(ハルナール、レギチーン等)、CYP3A誘導剤(リファンピシン等)、急性心不全治療剤(カルペリチド)

ED治療薬を使用する前に

ここまでご説明したようにED治療薬は併用出来ない、または注意が必要なお薬が多く存在することがおわかりいただけたと思います。最近ではインターネットでのED治療薬の購入が可能になりましたが専門的な知識のないままで使用し、重篤な副作用が発現してしまうリスクがあるため絶対にしないようにしましょう。

ED治療薬をはじめてお使いになる際や、新しく病気になってしまったり、常服するお薬ができた際には必ず専門のクリニックで医師の診察を受け安全を確認することをお勧めします。

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