コラム

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ミノキシジルで発毛アップ!

2018.03.01

AGA治療薬に「ミノキシジル」という薬剤があり、外用薬と内服薬の2種類が存在します。外用薬としてはリアップという薬剤が日本の大正製薬から市販されており、内服薬は現在日本ではまだ市販されていない状態となっています。今回は外用のミノキシジルについて、効果や使い方を詳しく見ていきたいと思います。

ミノキシジルはもともとは降圧剤?!

ミノキシジルはもともと降圧剤として開発が進んでいた成分でした。現在はアメリカのファイザー社の一部となりましたが、「アップジョン社」という製薬会社が1960年代に開発を進めていたもので、「ロニテン」という商品名で世に出ることとなりましたが、結果的に注目が集まったのは副作用として起こる発毛を促す作用だったのです。

内服薬で多くの方で発毛の効果が確認されたのですが、もともとは降圧剤として開発されたもので血圧が下がる効果も当然ありますので、アップジョン社ではその後外用薬としての開発が進みます。そこで誕生したのが「ロゲイン」です。日本の「リアップ」にあたる外用のミノキシジル製剤で、スプレー缶に入った泡状のフォームタイプと、スポイトで必要量をとって使用するローションタイプの2種類が市販されています。

フォームとローションどっちがいいの?

一方の日本で唯一のミノキシジル製剤である「リアップ」はローションタイプのみです。フォームとローションのどちらがより効果があるのでしょうか。

まずミノキシジルの使い方として、①髪の毛が乾いた清潔な状態の時に、②頭皮に1日2回、1回につき1mlを塗布した後、③手でしっかり揉み込むことが必要になります。フォームタイプは、泡の状態で出てきますので全体に広がりやすく、また頭皮の上にとどまりやすい性質がありますが、使用する量は目分量になりますのでどうしても適量に対して使いすぎたり、足りなかったりしてしまいます。一方のローションタイプは、適量をスポイトで計測して塗布することができますが、フォームタイプと比較すると垂れてしまったり、とどまりにくかったりします。

寝癖直しやワックス代わりに使用したり、お風呂上りにスキンケアと一緒に使用したりと、慣れて習慣になってしまえばあまり気にならなくはなりますが、どちらのタイプが自身に合っているのかは、試していく中で見ていったほうが良いのかもしれません。

 

ミノキシジルはなぜ効くのか

ミノキシジルにはなぜ発毛の作用があるのでしょうか。詳しい作用については未だにわかっていないことが多いのですが、「毛乳頭」という髪の毛の成長を促す根っこに当たる部分の細胞の分裂を促したり、その毛乳頭へ栄養を送り届ける毛細血管の血流を改善させたりする効果があることがわかってきています。毛乳頭がより大きくなれば、それを覆っている「毛母細胞」という、髪の毛を細胞分裂で実質的に伸ばす組織へ、より強く働きかけることで髪の毛を太く長く成長させることができます。また、血流が良好であることも発毛の大事な条件だと考えられています。頭皮周辺の血管は「毛細血管」といって、非常に小さく細い血管になっていますので、毛細血管に枝分かれする前の血管の血流が悪化してしまうことで、毛細血管への血流も悪化してしまうことが想像できます。またタバコなどがAGAの原因となってしまうのは、血管内の酸素量が減ってしまうことで栄養が行き渡らなくなってしまうと言われています。

ミノキシジルの効果

大正製薬の「リアップX5」の試験でミノキシジルの効果が示されていますので、見ていきましょう。ミノキシジルの使用は、フォームタイプ、ローションタイプそれぞれ内容量に対してミノキシジルを5%含有したものを、AGA治療に使用することが一般的です。「リアップX5」はミノキシジルを5%含有したローションタイプのミノキシジル外用薬です。

使用者の印象

まずは実際にリアップを使用してみた方の実感を、52週間およそ1年間にわたって、「悪くなった」、「変わらなかった」、「少し良くなった」、「良くなった」、「非常に良くなった」の5段階で評価した際の推移を、グラフにしたものが大正製薬より発表されています。(以下、リアップX5プラスの発毛効果 長期投与試験 被験者の印象(発毛に対する効果)より)

これを見ていくと、「非常に良くなった」・「良くなった」を含む改善を実感できている方の割合が、約1年間の使用で60%にまで達しており、しっかりと継続して使用することで治療に満足感が得られることが分かります。

総毛髪数の変化

次は頭皮の同一部位(1センチメートル四方)における、毛髪数の量の推移を見てみましょう。(以下、同ページ そう発毛数の変化(1cm²当たり)より)

4週後と8週後の開きがかなり大きく、そこからは割と横ばいに推移していることが分かります。

ミノキシジルに限らず、AGA治療薬としてよく知られるプロペシア(成分名:フィナステリド)、ザガーロ(成分名:デュタステリド)などでもおこる副作用に「初期脱毛」という症状があります。これは、もともと抜け落ちるの待っているだけの状態だった頭皮の毛根のヘアサイクルが正常にもどり、活動が促されることで、脱毛が促されるのです。

4週後と8週後の大きな開きは、初期脱毛を終えた後の髪の毛の成長が強く促されていることが分かります。また正常なヘアサイクルに戻ったことで、抜けにくい髪が多く増えていることも予測できます。

「発毛」にはミノキシジル

以上の試験結果からも、ミノキシジルの発毛を促す効果が間違いないことが分かります。

今回は外用薬についてお話してきましたが、内服薬のミノキシジルはこの外用剤以上に強力に発毛を促すことができます。専門の医療機関やクリニックではAGA治療に欠かせない「攻め」の治療として、このミノキシジルの内服薬と、フィナステリドやデュタステリドなどを一緒に処方する「カクテル療法」という方法を取ることが一般的です。日本ではまだ市販されていない薬剤ですので、処方を希望される方はぜひ一度専門の医療機関やクリニックにご相談ください。

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記事監修

2008年
久留米大学医学部医学科卒業
2008年~
福岡大学病院にて卒後臨床研修後、同大学医学部形成外科に入局 (2017年3月退局)
2011年
山口県済生会下関総合病院形成外科
2012年
新小文字病院形成外科
2013年
福岡大学大学院生体制御系専攻入学(2017年3月修了)
2014年~
正樹会佐田整形外科病院形成外科
2016年
九州中央病院形成外科
2017年4月
ユナイテッドクリニック福岡博多院院長就任
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