AGA治療薬を服用しても効果が現れない方へ

コラム

column

2017.11.29

当院にはAGA（男性型脱毛症）改善の為プロペシア（フィナステリド）やザガーロ（デュタステリド）、ミノキシジルといったAGA治療薬を飲み始めたはいいものの、思う様に効果が得られない、という方が一定数相談に来られます。中には抜け毛が増えて来たから怖くなってやめてしまったという方もおられます。AGA治療薬はどういった方に効果があって、どういう方には効果が無いのか。今回はそういった不安を抱えた方の為に、AGA治療薬が効かない原因について説明させていただきます。

AGA治療薬への薬剤耐性と服用期間

まず明確にしておきますが、プロペシア、ザガーロを飲み続けていることで薬剤耐性が付き薬が効きづらくなる事はまずありません。またミノキシジルへの耐性もデータが少ない事から「はっきりしない」と言われてはいますが、ミノキシジルが効かなかったという方もヘアサイクルの関係から一時的に抜け毛が増えていたり、睡眠不足や乱れた食生活といった生活習慣の原因から髪の成長が滞っている事が殆どというのが現状です。効果が見られないからと自己判断で服用を辞めたり、用量を上げるといった行為は満足な効果を得られないばかりか、強い副作用を引き起こす可能性があります。必ず医師と相談の元用法、用量を守った服用をお願い致します。

AGA治療薬が効かない人ってどんな人？

AGA治療薬が効かないと来院される方の中で最も多いのが「服用期間が短い方」です。プロペシアの添付文書にも「3ヵ月の連日投与により効果が発現する事があるが、効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要である」と記されている通り、元々AGA治療というのはヘアサイクルの周期の長さから結果が実感出来るまでに通常半年から2年という期間を必要とします。また効果発現までには個人差がある為、3ヵ月飲んだから、もしくは6ヵ月飲んだから効かないのはおかしいというのは早計です。
その他プロペシア、ザガーロが効かない原因としては、そもそもAGAではない（自己免疫性疾患である円形脱毛症、頭皮環境が悪化し常在菌が増え頭皮が炎症を起こす脂漏性脱毛症といったAGA以外の脱毛症には効果がありません）、AGAの原因となっている還元酵素が服用している薬剤と対応していない（AGAの原因となる5αリダクターゼには1型と2型がありますが、プロペシアは2型にしか作用しません。ザガーロは1型と2型両方に作用します）といったものが存在します。

AGA治療薬で抜け毛が増えた！？

AGA治療薬を服用し始めて1~2週間程で抜け毛が増えたので服用を辞めてしまったという方もおられます。これは初期脱毛と言ってヘアサイクルが正常に戻る事で一時的に抜け毛が増える現象で、一度抜けた後はヘアサイクルの整った健康な毛髪が生えて来ます。薬がしっかり効き始めたサインになりますので、ここで服用を辞めてまた乱れたヘアサイクルに戻らない為にも根気良く服用を続ける様お願いします。初期脱毛の期間、程度には個人差があります。不安な方はかかりつけの医師にご相談ください。

いかがでしたか？AGA治療薬は単剤で使用するよりも併用する事で高い発毛効果を得られることが分かっています。もし単剤のみで使用されている方で効果が薄い、もっと確実な発毛を目指したいという方は、プロペシア(フィナステリド)もしくはザガーロ(デュタステリド)とミノキシジルの併用をお勧め致します。

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