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小児にもAGAは起こる?

2017.11.28

薄毛と聞くと成人の男性を想像する方が多いのではないでしょうか?最近では成人の女性の方も薄毛に悩む方が増えていると言いますが、やはり男性のほうが薄毛に悩んでいる方が多いのが現実のようです。しかし、薄毛に悩んでいるのは大人だけではないのです。実は子供(幼児も含む)にも脱毛症は起こるのです。心身共に未熟な子供の脱毛症は、両親や大人がきちんとサポートをして治療を受けさせてあげるのが大切ですので、小さいお子さんがいらっしゃる方は適切な知識を身に着けておきましょう。

子供の脱毛症の原因

子供の脱毛症の原因は大きく分けて5つ考えられます。

1.不規則な生活、睡眠不足、栄養のバランスが偏った食事などで、毛髪が成長するのに必要な頭皮環境が損なわれる生活習慣の乱れ。
2.家庭内や学校などでの強い精神的ストレス、または肉体的ストレスを感じている。
3.自分の身体を外敵などから守るための免疫が、何らかの原因で自分自身を攻撃してしまう、自己免疫疾患やアレルギー。
4.間違ったシャンプーの仕方などによる、頭皮の炎症。
5.遺伝や男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の影響で起こるAGA(男性型脱毛症)。

※AGAは成人男性に多く見られ、思春期以降に額の生え際や頭頂部の毛髪が、どちらか一方、または双方から抜け毛が進行し、薄毛が目立つようになるため、思春期前の子供は1~4を疑った方がよいでしょう。

自己免疫疾患による円形脱毛症

子供の脱毛症は、多くの場合が自己免疫疾患による円形脱毛症で、免疫が毛根の髪を作る細胞を外敵と誤解しリンパ球が過剰に反応し攻撃してしまったり、アレルギー物質に反応して過剰防衛してしまうことにより脱毛が起こってしまいます。子供の中には、自己免疫疾患(アトピー体質など)だったり、食物アレルギーなどを多数持っているアレルギー体質の子もいますので、免疫に関するトラブルが起こりやすく、免疫疾患による円形脱毛症のリスクが高くなります。また、発症の引き金となる原因が特定されていないため、発見が遅れやすといわれています。

円形脱毛症には3タイプがある!

・単発型 1~2ヶ所程度で、部分的に抜ける症状。(稀に多発型に発展することもある)
・多発型 単発型に対して全体的に数ヶ所に抜ける症状。(回復へ向かっていても繰り返し発症しやすい)
・全頭脱毛症 多発型が進行し、全体的に広く脱毛してしまう。(進行が進むと眉毛や全身の毛も抜ける)

単発型は自然に治る場合が多く1年以内に治るが、多発型・全頭脱毛症は長期的な治療が必要となり、髪を作る細胞も髪を作らなくなると作ることを忘れ、2度と髪が生えなくなりますので、放置はしないで早めに皮膚科の専門医を受診するよにしましょう。

子供の脱毛症の対処

まずは、子供の髪や頭皮をよく見て異変が無いかチェックするようにしましょう。見ただけでは分かりにくい場合もありますので、枕もチェックしてみて下さい。脱毛症が起こっている場合は、枕にたくさんの髪の毛が抜け落ちており、日に日に増えていきますので脱毛症を疑って下さい。脱毛症かもしれないと感じたら、皮膚科や小児科、免疫疾患に強い病院に行きましょう。

薄毛治療に用いられる一般的な治療薬の多くは未成年への使用が禁じられています。では、どのように治療が行われるのかといいますと、頭皮の炎症などによる脱毛の場合は、免疫疾患の治療に用いられえるステロイドによる治療です。ステロイドは非常に強い薬ですが、アトピー性皮膚炎などの炎症を鎮める効果が期待されますので、自己免疫疾患による脱毛にも効果が期待できます。また、ステロイドの副作用には増毛効果があるといわれており、脱毛症の治療に用いられます。しかし、増毛後に再び脱毛してしまう、骨粗しょう症、糖尿病、腎不全などの副作用もありますので、必ず医師の指示に従いましょう。

家庭でのケア

まずは、生活習慣を見直し、バランスの取れた食事などに気をつけたり、睡眠不足にならないよう就寝時刻を決めるなどのことから始めましょう。食事には、たんぱく質が髪になるのを助け、髪の栄養にもなる亜鉛を多く含む牡蠣や魚介類などを摂るようにしましょう。また、頭皮環境を改善に効果が期待できるビタミン群を多く含む緑黄色野菜や柑橘類も摂るようにしましょう。

精神的ストレスや肉体的ストレスなども脱毛症には大敵です。子供は実は強いストレスを抱えていることありますので、悩みなどがないか話をよく聞いてあげることも大切です。また、脱毛症になってしまったことも精神的にショックが大きくストレスにもなりますので、ご両親や大人のサポートが必要です。子供の脱毛症は、「そのうち治るだろう」と放置せず、早期に皮膚科や小児科などに連れて行き、医師と治療法を相談して治療していきましょう。

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記事監修

2008年
久留米大学医学部医学科卒業
2008年~
福岡大学病院にて卒後臨床研修後、同大学医学部形成外科に入局 (2017年3月退局)
2011年
山口県済生会下関総合病院形成外科
2012年
新小文字病院形成外科
2013年
福岡大学大学院生体制御系専攻入学(2017年3月修了)
2014年~
正樹会佐田整形外科病院形成外科
2016年
九州中央病院形成外科
2017年4月
ユナイテッドクリニック福岡博多院院長就任
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