タダラフィル
タダラフィルとは
タダラフィル 「シアリス」として
タダラフィルのED治療薬「シアリス」としての国際販売は2002年10月からで国内では2007年に認可を受けた3番目のED治療薬です。日本イーライリリー社が製造販売していましたが2009年に日本新薬に販売を移管しています。タダラフィルのシアリスとしての効果時間が36時間と長時間作用が特徴でマイルドな効果を発揮します。2013年にはED治療薬としてのシェアが42%となりバイアグラを抜き世界市場で第一位となっています。ユナイテッドクリニックにおいてもバルデナフィル製剤のレビトラに次いで人気の高い成分です。
タダラフィルの構造式は先に発売されていたバイアグラ・レビトラ等のほかのED薬と違いと大きく異なっているため、シアリスとしてのタダラフィルはバイアグラ・レビトラ等と比較すると最も長時間作用効果を持っています。タダラフィルは陰茎海綿体で勃起に関与することでPDE-5という酵素の働きを抑え、陰茎周辺部のNO作動性神経に作用して血管を拡張させ、血液量を促すことで勃起の持続力を促します。
ED治療薬シアリスとしてのタダラフィルは1日1回10~20mgを服用します。服用後1~2時間後に効果を発現し、血中濃度のピークが服用後3~5時間ですが個人差が大きいことが知られています。長時間作用型であることと食事の影響をほとんど受けないことや副作用の少ないことからライフスタイルに合わせた服用が可能です。海外では「ウィークエンド・ピル」と呼ばれて金曜日の夜に服用すれば日曜日まで効果が持続するためED治療薬として大変人気があります。また36時間の長時間作用ですが24時間以上経過すれば再度服用しても問題ありません。
日本においては承認されていない飲み方ですが、欧米では低用量シアリス(タダラフィル)の1日1錠定期服用が服用方法として2007年~2008年にかけて承認されています。海外の臨床試験において、性行為の時間の制約なしにシアリス2.5~5mgを1日1錠定期的に内服することでEDの重症度によらずその症状が4~5日の連日服用で著明に改善し、患者の満足度も適宜単回使用と比べて高いことが報告されています。
またシアリス連日服用に関する研究では性行為前の単回服用の有効率が69%だったのに対し、1日1錠定期服用では有効率84%と高い治療効果が認められました。また、連日服用の方が頭痛の副作用が少ないこともわかりました。
シアリスとしてのタダラフィルは保険適応外になります。そのため価格が少し高いと思われる方もいらっしゃると思いますが薬剤としては少し年数が経過してきましたのでシアリスのジェネリックももう少ししたら発売されるかもしれませんね。もうしばらくお待ちください。またシアリスジェネリックは『タダラフィル20mg~「会社名」』といった名前で発売されると思われます。
タダラフィル製剤の通販は危険です!
タダラフィル製剤を含むED治療薬が多く通販や個人輸入代行で販売されていますが多く偽物・偽造品の混入が報告されています。特に通販のシアリスの偽物による死亡例の報告は日本国内でも起きており販売価格が安いからといって手を出すことはお勧めできません。また海外シアリスのジェネリックに関して20mg錠以上の製剤は存在しません。シアリス40mg錠、50mg錠、100mg錠は100%偽物・偽造品ですのでご注意ください。
タダラフィルのアンチエイジング効果
タダラフィルの定期服用が欧米で承認されて以降、ED改善効果のみならず血管内皮細胞を保護しアンチエイジング作用により血管の老化を抑えて血管年齢を若く保つ効果があることがわかっておりタダラフィルのアンチエイジング作用が注目されています。
タダラフィルが血管内皮細胞に働きかけ、一酸化窒素(NO)の産生量を増やすことで発揮されます。その効果はタダラフィル休薬後も最低2週間程度は持続することがわかっています。タダラフィルの連日服用は血管の働きを持続的に改善させます。
タダラフィル 「ザルティア」として
2014年に日本で低用量のタダラフィル、一般名「ザルティア」が前立腺肥大症薬として認可されて話題となりました。ザルティアとしてのタダラフィルは通常1日1回5mgを服用します。PDE-5阻害作用により、血管平滑筋弛緩による血流改善作用により排尿・蓄尿改善効果があります。
尿道・前立腺・膀胱頸部の平滑筋弛緩作用の効果で排尿改善効果、求心性神経活動の抑制作用による蓄尿改善を有すると考えられており、前立腺肥大症に伴う下部尿路症状を改善します。
またザルティアに関しては2014年の発売時よりED治療薬として転用が予想され日本泌尿器科学会、日本新薬がザルティアの不適正使用を行わないよう(ED治療目的で処方・服用しない)よう各医療機関に指導・通達が行われています。ザルティアの転用を防ぐためザルティアは様々な検査を行い前立腺肥大症と診断されないと処方できないようになっています。転用しようとすると検査代など逆に費用がかさんでしまいますので転用はしないようにしてください。
タダラフィル 「アドシルカ」として
タダラフィルは肺動脈性高血圧症薬「アドシルカ」としても承認されています。通常1日1回40mgを服用します。タダラフィルは中等度からやや重い肺動脈高血圧症に対して最も推奨度の高い治療薬とされています。
タダラフィルを服用するとPDE-5を阻害して血管拡張物質(cGMP)を増やして肺動脈を拡張させ肺動脈圧、末梢血管抵抗を低下させます。肺の血流が改善すると息切れや呼吸困難が改善され、運動耐容能が向上することがわかっています。
このように心肺機能を高めることがわかっておりアスリートの方もタダラフィル10mgを服用する方がいらっしゃいます。