エフペシア(F-pecia)はプロペシアのジェネリック薬、AGA治療に用いる内服薬です。プロペシアもエフペシアも有効成分はフィナステリドのため効果・効能は同じです。エフペシアを服用することで髪の毛がしっかり成長し、薄毛が改善されます。
髪の毛は2~6年かけて育っていきます。その一方で髪の毛は1日50~100本ほど脱毛し、新しい毛が生まれては抜けるという成長サイクルを繰り返しています。このサイクルをヘアサイクルと呼び成長期、退行期、休止期に分かれています。
薄毛のうち男性型脱毛症のことをAGAと呼びストレスからくる円形脱毛症や粃糠性脱毛などと区別されていて、成人男性の薄毛のほとんどはAGAといわれています。AGAは成人の生え際や頭頂部又は生え際と頭頂部の両方が薄毛になることを指し、AGAの特徴として短い、弱々しい、色素の薄い、未熟な毛が大量に脱毛します。薄毛部位には男性ホルモンDHTが高濃度に検出され、このDHTがヘアサイクルを乱している原因です。エフペシアはDHTの生成を抑えてヘアサイクルを正常化させる薬剤です。
※ユナイテッドクリニックではエフペシアは処方しておりませんが、プロペシアジェネリック(フィナステリドを安い価格で処方しております。
エフペシアとは
エフペシア(F-pecia)は現在取り扱いの少なくなったフィナステリド製剤です。エフペシアはインドの大手ジェネリックメーカーCipla社が製造した薬剤で、Cipla社は同じフィナステリド製剤のフィンペシアを販売していたのですが、キノリンイエローという添加物が入っておりキノリンイエローに発がん性の可能性があるため問題になりました。ごく微量のため大きな影響はないと考えられるのですが、薬剤ですので万が一の健康被害の可能性も考慮し、Cipla社がキノリンイエローを含有していないキノリンイエローフリーとして商品化したものがエフペシアです。
エフペシアは一時的に、期間にすると約半年間販売されましたがキノリンイエローフリーのバージョンアップしたフィンペシアがすぐに製造されはじめたため、薬剤としての特性がなくなりエフペシアを製造しなくなったようです。つまり、エフペシアは一時的に販売されたキノリンイエローフリーのフィナステリド製剤です。
エフペシアの飲み方・服用方法
エフペシアは1回1錠を毎日服用してください。食事の影響は受けないので食前でも食後でも構いません。決まった時間に飲む習慣をつければ飲み忘れを防ぐことができます。
商品名:エフペシア(F-pecia)
主成分:フィナステリド
用量:1.0mg
錠数:30錠
適応:成人男性の男性型脱毛症
服用方法:1日1回1錠を服用(服用は男性のみ可能
エフペシアの効能・効果
エフペシアの主成分フィナステリドはDHT(ジヒドロテストステロン)を阻害し効果を発揮します。DHTは精巣にあるテストステロンが髪の毛の毛根に存在する5αリダクターゼと反応することで生成されます。DHTはタンパク質合成を阻害したり、毛乳頭の細胞分裂を低下させたり、皮脂を過剰分泌させることで薄毛に作用します。
DHTの感受性が高い人は遺伝的な要因が大きいといわれており、特に母方の父親からの隔世遺伝が指摘されています。血筋にAGAの方がいる場合は感受性が高いと思われますので早めのケアが必要です。
エフペシアはDHTを生成させる5αリダクターゼのうちⅡ型酵素を阻害します。5αリダクターゼはⅠ型とⅡ型があり、Ⅰ型は30~40%くらいを占めており側頭部、後頭部の皮脂腺に多く存在します。Ⅱ型は60~70%を占め、前頭部、頭頂部の毛乳頭に多く存在しています。
AGAは前頭部~頭頂部の毛が薄くなる疾患ですので、5αリダクターゼⅡ型酵素を阻害することで効果的なAGA治療が可能です。毛乳頭は髪の毛の成長に深く関わり、その細胞分裂が低下すると抜け毛が増え髪の毛が細くなっていきますので5αリダクターゼⅡ型酵素の抑制はAGA治療に必須といえます。
エフペシアの治療期間
エフペシアをはじめとするAGA治療の期間は年単位が望ましく、数カ月の治療では効果が実感できないことが多いといわれています。これはヘアサイクルが年単位で推移していくため目に見える効果が現れるには数年かかるからです。
治療開始から6ヵ月くらいまでは目に見える変化は少なく「髪の毛のコシやハリがでてきた」「抜け毛が減った」「短く弱い毛の脱毛が減った」という自覚的な効果を実感する時期です。
6ヵ月以降、産毛が徐々に頭皮に現れはじめ、薄毛が目立たなくなります。1年以上経過することで変化なしから軽度改善、中等度改善が著明に増えていきます。
ただしエフペシアの効果は抜け毛や脱毛の抑制ですので発毛効果はあまりありません。しっかりとした発毛を希望される方はエフペシアで抜け毛を抑えながら、ミノキシジルで頭皮の血流を改善し、毛包の活性を促すようにしましょう。ミノキシジルの血管拡張作用で髪の毛に栄養がしっかり届くと髪の毛が生えてきます。
フィナステリドもミノキシジルも日本皮膚科学会の男性型脱毛症診療ガイドラインにおいて”行うよう強く勧められる”のAランクに指定されています。また、ガイドライン2017年度版ではフィナステリドと作用機序が類似しているデュタステリドもAランクに追加されています。デュタステリド(ザガーロ・アボルブ)は5αリダクターゼⅠ型とⅡ型の両方を阻害することでフィナステリドよりも強い脱毛抑制効果で知られています。
エフペシアの禁忌・注意点
- エフペシアの錠剤を分割しないように注意喚起されています。これはエフペシアの成分フィナステリドに妊娠中の女性が触れた場合、皮膚吸収により体内に取り込まれ胎児の性器の正常発達に悪影響が起こる可能性があるからです。
- エフペシアは男性型脱毛症のみに効果がある薬剤で、円形脱毛症や抗ガン剤の副作用による薄毛には効果がありません。
- 前立腺の腫瘍マーカーであるPSA値に異常がでる可能性がありますので健康診断など医師の診察を受ける場合はエフペシアを服用していることを医師に伝えましょう。
- エフペシアを服用中は献血ができません。献血する場合はエフペシアの服用中止し1ヵ月以上経過してからにしましょう。
エフペシアの副作用
エフペシアの主成分であるフィナステリドの副作用にED(勃起不全)や性欲減退などの男性機能低下があります。約4%にこれらの副作用が見られますが性欲減退についてはプラセボ(偽薬)群とのあいだで有意差は認められませんでしたので、過度な心配は不要でしょう。
その他の副作用として発疹、痒み、血管浮腫、抑うつ症状、めまいなどの報告もあります。副作用が続く場合は一旦服用を中止して専門の医師にご相談ください。
また、副作用ではないのですが治療初期に初期脱毛といって古い毛が大量に抜けることがあります。初期脱毛は休止期や退行期に入ったこれから抜けるはずの毛がエフペシアの効果により新しい毛が古い毛を押すため生じているので、エフペシアの効果がでている証拠ですので不安にならずに継続治療しましょう。
エフペシアの通販・個人輸入の偽物に注意
エフペシアはすでに取り扱いが停止している薬剤です。直接海外で購入しようとしてももう在庫が無い可能性が高いでしょう。また個人輸入でも購入が可能のようですが厚生労働省からは個人による薬剤の輸入に関して注意喚起されており、エフペシアやフィンペシアも注意すべき薬剤に指定されています。
個人輸入する場合ほとんどがインターネットや携帯・スマホからの購入と思われますが、検索すると様々な輸入代行業者が出てきます。本物も届く可能性はあるのですが、メーカーの調査によると6割以上が偽物といわれており、本物を販売している業者を見分けるのは至難の業です。海外医薬品の偽物・偽造品による健康被害や死亡事故まで報告されているため、フィナステリド製剤は必ず医師の診察の後、処方を受けましょう。