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カークランド

カークランド

カークランド(KIRKLAND)とは、ミノキシジル(Minoxdil)を有効成分にした発毛・育毛剤です。世界で最初のミノキシジル発毛・育毛剤はアップジョン社(現在のファイザー製薬)が1980年代に販売を開始したロゲインですが、現在ではこの「カークランド」や日本国内向けダイレクトOTC化商品である「リアップ」、「ポラリス」、「ツゲイン」といったように様々な製薬会社からジェネリック医薬品という位置づけの商品が販売されています。カークランドはミノキシジルを5%配合した外用薬で、リキッドタイプとフォームタイプがあります。

このカークランドですが、日本でもおなじみのアメリカ・ワシントン州に本社を置く会員制倉庫型卸売販売業者である「コストコ」のプライベートブランド名となります。
すなわちこの「カークランドミノキシジルローション・フォーム」はコストコが販売するロゲインジェネリックということになります。

有効成分であるミノキシジルには頭皮の血流を改善し、毛母細胞へ血中の栄養が行き届くことで発毛が促されると考えられています。AGA(男性型脱毛症)による薄毛治療の場合にはミノキシジルのみの使用ではなく、髪の毛の生え変わる周期を短縮させ脱毛を進行させる悪性の男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)の発生を抑えるプロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)といった5α還元酵素阻害薬との併用が推奨されます。

カークランドとミノキシジルタブレット(ミノタブ)

カークランドはミノキシジル外用薬ということから、ミノキシジル内服薬であるミノキシジルタブレット(通称ミノタブ)との併用も可能です。またAGA治療には各種治療薬のほかにも髪の毛の元となる亜鉛やリジン、セレンといった栄養の摂取も取り入れたほうがいいでしょう。薬剤や医療用栄養補助剤に関しましては専門医にご相談ください。

国内版ロゲインジェネリックともいえるリアップは価格が7000円台ですが、カークランドはさらに低く設定されています。ユナイテッドクリニック各院ではロゲインやカークランドと同じミノキシジル5%外用薬を4000円台でご用意しており、東京・埼玉・神奈川といった首都圏に加え大阪・京都・名古屋・神戸・福岡といった様々な地域の方に処方し効果を実感していただいております。

ミノキシジルとは

ミノキシジル(Minoxidil)とは、1960年代にアメリカ・アップジョン社(現在は吸収合併によりファイザー社)により開発された血管拡張作用を持つ成分です。もともとは高血圧患者用の経口降圧剤として開発されていましたが、治験時に被験者に副作用として多毛(薄毛改善)効果がみられたことにより薄毛治療薬としての研究にシフトしました。その後1980年代に2%のミノキシジル外用薬「ロゲイン」として販売が開始されました。

このロゲインは今日でもミノキシジルを5%に増量するなどして販売されていますが、開発したファイザー社は世界規模でOTC事業を他社に委譲したため、現在はジョンソン・エンド・ジョンソン社の参加であるマクニール社から販売されています。

ミノキシジルは現在、日本皮膚科学会が定めたAGA治療ガイドラインでもAランクの「強く勧められる」医学的根拠のある治療薬です。またミノキシジルには内服タイプの「ミノキシジルタブレット(通称ミノタブ)」もあり、こちらのほうが外用薬よりさらに発毛の効果が高いとされています。

カークランドの効果・効能

カークランドはミノキシジル5%外用薬ということから、ロゲインや大正製薬株式会社が販売するリアップの最高濃度であるリアップX5と同一の効果を持ちます。ミノキシジルは科学的に発毛・育毛効果が認められている成分です。

ミノキシジルには血管拡張による血流改善効果があり、使用により髪の毛の根元にある毛母細胞に食事やサプリメント等で得た発毛・育毛に必要不可欠な栄養素をより行き届かせることができます。それにより毛母細胞の活動が活発化され、アデノシンという物質が分泌されます。このアデノシンにはIGF-1、HGF、KGF、VEGFといった細胞増殖因子の生成を促す効果があり、発毛が促進されていくと考えられています。

カークランドの使い方・使用方法

カークランドには液状と泡状のものがあり、どちらも1回1mlを1日2回薄毛の気になる箇所に塗布します。効果が出るまでに半年程度は最低必要ですので根気強く続けるようにしましょう。

カークランドとAGA治療

AGA(男性型脱毛症)の原因として、悪性の男性ホルモンであるDHTの関与が研究で判明しています。通常、髪の毛は2~6年かけ太く長く成長していき(成長期)、その後成長が停止し(退行期)、成長が止まり抜けていく(休止期)といったヘアサイクルを繰り返しています。DHTにはこのヘアサイクルのうちの成長期を1年程度に短縮してしまう作用があり、これにより髪の毛が生えてはすぐ抜けていきボリュームがなくなる=薄毛といった状態になります。

DHTの働きを抑えないとカークランドのようなミノキシジル外用薬の効果によりせっかく発毛させてもすぐに抜けてしまいます。AGA治療はミノキシジル単独で行うのではなく、プロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)といった5α還元酵素阻害薬を使用してDHTの産生を抑制し、髪の毛の原料となる亜鉛等の補助栄養薬を摂取する「多角的な治療」が推奨されます。

カークランドの副作用

カークランドのようなミノキシジル外用薬には使用によりいくつかの副作用が現れる可能性があります。副作用に関するカークランドについての文献はありませんが、同じく5%ミノキシジル外用薬であるリアップX5については、製造販売元である大正製薬株式会社のサイトに記載がありますので一部抜粋します。

リアップX5の副作用発現率は8.0%(主な副作用は湿疹2.0%、毛嚢炎2.0%、接触皮膚炎2.0%)n=50

この副作用は臨床で被験者にリアップX5を長期間投与(52週)した際に確認できたものです。

このことからも発現率はかなり低いことが判明しています。

カークランドの個人輸入・通販について

カークランドはアメリカ発祥の会員制倉庫型卸売販売業者であるコストコが販売するロゲインジェネリックです。購入はアメリカのコストコなら可能です。しかし日本にもコストコは数店舗ありますが、こちらでは購入はできません。理由としてはアメリカと日本の薬事法が考えられます。また国内におけるミノキシジル外用薬の製造承認販売は大正製薬株式会社によるリアップ以降、事実上ストップしており、今後国内のコストコで購入できるようになるかは不明です。

今回のカークランドのように、日本で承認されていない医薬品は個人輸入代行業者等を介した通信販売でも購入は可能ですが、商品の未配や流通の際の偽造医薬品の混入といった問題が後を経たないため控えたほうがいいでしょう。ミノキシジル外用薬は当院のような正規医療機関における医師の診察・指導の下の処方をお勧めします。