フォリックス(FOLLICS)とは成人の薄毛・AGA(男性型脱毛症)に適応がある頭皮に塗るタイプの外用薬です。有効成分はミノキシジルで日本皮膚科学会の男性型脱毛症診療ガイドにて最高位のAランク「行うよう強く勧められる」に指定されておりAGAの標準治療薬薬の一つです。フォリックスFR15、フォリックスFR16というようにミノキシジルが含まれるパーセンテージで名前が違います。フォリックスFR15だとミノキシジルが15%含有、フォリックスFR16だとミノキシジルが16%含有。成人の薄毛のほとんどがAGAといわれており、前頭部、頭頂部、またはその両方が薄毛になる状態をAGAと呼んでいます。AGAの原因として遺伝、食生活、運動習慣、喫煙、飲酒、男性ホルモンDHTなどが挙げられます。ストレスなどからくる円形脱毛症などにはフォリックスは適応ではありません。フォリックスはアメリカのポラリス社より販売されていたポラリスシリーズが生産終了したためポラリスの後継品ともいわれています。
フォリックスとは
フォリックスとはアメリカフロリダ州のサファイアヘルスケア社(Sapphire Healthcare Lab)より販売されています。フォリックスには種類がありFollics FR02、Follics FR05 、Follics FR07 、Follics FR12 、Follics FR15 、Follics FR16です。それぞれFollics FR02には2%、Follics FR05には5%、Follics FR07には7%、Follics FR12には12%、Follics FR15には15%、Follics FR16には16%ミノキシジルが含有されています。
商品名 フォリックス
有効成分 ミノキシジル
ミノキシジル濃度 2%~16%
形状 クリーム、ローションタイプ
成分 アデノシン ミノキシジル プロキャピル アゼライン酸 シトステロール など(FR16のみフィナステリド含有)
国内でミノキシジルの外用薬といえばリアップが有名ですが元々はロゲインという薬剤が初めてのミノキシジル薬でした。ミノキシジルは1960年代に高血圧患者のための血管拡張薬として製造されていました。研究段階の副作用として多毛の症状がみられたためAGA薬としてあらためて研究されてできた薬剤です。1980年代にアップジョン社(現在のファイザー社)が2%ミノキシジル溶液をロゲインとして世界で初めて販売開始しました。ロゲインは史上初のAGA治療で発売当時は夢のような薬剤として世界中で爆発的に売れました。日本でも1999年に大正製薬よりリアップが販売開始されており100億円規模の育毛薬市場を500億円規模まで拡大させたといわれるくらいヒットしています。リアップのミノキシジルは5%でフォリックスはその3倍の16%含有のため効果が強いことでしられています。フォリックスシリーズはリポスフェアーテクノロジーという独自の製法で薬剤吸収率の増加、浸透時間延長、アレルギーの原因のアルコールやプロピレングリコールの含有を抑えてかゆみや炎症を起こりにくくしています。
フォリックスの効果
フォリックスの有効成分ミノキシジルが体内に吸収されると平滑筋弛緩が刺激を受けて弛緩することで血管が拡張します。動脈も静脈を広げ、頭皮の毛細血管も同様に拡張することで毛髪に必須の栄養分が行き届くようになり毛根にある毛母細胞が活性化し発毛を促します。髪の毛は1日50~100本は抜け、年単位で生えては抜ける生え変わるを繰り返しており、この循環をヘアサイクルと呼んでいます。ヘアサイクルは休止期、成長期、退行期に分かれており休止期(3~4ヵ月)成長期(2~6年)、退行期(2週間)とされ成長期が一番長く、最も髪の毛が成長する時期です。AGAではこの成長期が3ヵ月~1年ほどに短縮しており、短く、弱々しく、色素の薄いまだ育ち切ってない毛が大量に抜けます。AGAの方の頭皮を調べると活性型男性ホルモンDHT(ジヒドロテストステロン)が高濃度に見られます。このDHTがヘアサイクルを短縮させ、新しい毛をつくらせなくするAGAの原因物質で、一旦DHTが産生されると薄毛が進行していきます。フォリックスを使用すると血管拡張作用により栄養が行き届くようになりしっかりとした太い毛が発毛するようになります。また、フォリックスF16にはフィナステリドが含有されています。フィナステリドはDHTの生成を阻害する薬剤です。DHTは自然には存在せず男性ホルモンのテストステロンと、毛根に存在する酵素の5αリダクダーゼが反応することで生成されます。フィナステリドは55αリダクダーゼ酵素を阻害することでヘアサイクルを健全にしてくれる効果があります。
フォリックスの使用期間
フォリックスは基本年単位での治療が推奨されています。髪の毛はヘアサイクルがあり2~6年はかかるので目に見える効果があらわれるのは相応の時間が必要です。リアップを販売している大正製薬の5%ミノキシジルにおける52週にわたる臨床データによると90%以上の方に効果がでています。
治療開始4週間後 変化なし95.9% 軽度改善4.1%
治療開始16週間後 変化なし18.8% 軽度改善70.8% 中等度改善10.4%
治療開始24週間後 変化なし8.3% 軽度改善41.7% 中等度改善47.9% 著明改善2.1%
治療開始40週間後 変化なし2.1% 軽度改善25.5% 中等度改善63.8% 著明改善8.5%
治療開始52週間後 変化なし2.2% 軽度改善20.0% 中等度改善66.7% 著明改善11.1%
※大正製薬リアップ承認申請添付データ参考
このように改善が月単位で増加していくのがわかります。最終的には変化なしが大幅に減少し、中等度改善、著明改善が増加しています。ミノキシジルにはミノキシジルタブレットという内服薬も海外では販売されており内服薬のほうが効果が高いことがしられていますので外用薬のデータよりも著明改善が増加すると考えられています。
フォリックスの副作用
フォリックスはミノキシジルの%が増加するほど副作用は出やすい傾向にあります。発赤、発疹、かゆみ、かぶれ、むくみ、動悸などが血管拡張作用により起こる可能性があります。症状が出た場合はお湯で洗い流して様子をみてください。症状が続いたり、増悪したりする場合は一旦使用を中断して専門の医師に相談しましょう。フォリックスFR16にはフィナステリドが含有されているため女性には触れさせないようにしてください。特に妊娠中の女性が触れてしまうと皮下吸収により生まれてくる胎児の性器形成異常の可能性が指摘されています。取り扱いは十分注意しましょう。フォリックスは外用薬のため一般的に副作用は少なくフォリックス自体が副作用を抑えられるように作られているのでリアップなどよりも副作用は少ないといえるでしょう。
フォリックスを購入するには
フォリックスは日本での流通がないためアメリカ本土で直接購入するのが一番安心かもしれません。その他にもインターネットで購入することもできるようです。インターネットで検索すると様々な個人輸入代行業者が出てきますが、一見しただけで本物の業者かどうか?は見分けがつきません。インターネット個人輸入で購入した薬剤の6割以上が偽物だったというデータもあり、思ってもみないような副作用が出たり場合によっては命を落とす事故まで発生しているので厚生労働省でも個人輸入は注意喚起しています。フォリックスを安全に購入したい場合はAGA専門クリニックで相談するといいでしょう。ミノキシジルはAGAの第一選択薬のため専門外来では高濃度ミノキシジル液を用意していることがあります。